上記の記事で紹介したように、マーケティングの鉄則は「一番手になる」という考え方です。
一番手になれば、その領域における第一人者として広く認知され、市場から淘汰されにくくなります。
例えば、民泊といえば「Airbnb」、フリマアプリといえば「メルカリ」です。
そしてこの一番手は、初めてサービスインした順番ではなく、顧客の心の中に一番早く入り込んだ順番であることが重要でした。
ここで1つの疑問を持つ方はマーケティングのセンスをお持ちではないかと思います。
この問いに答えをくれるのが、第2の法則「カテゴリーの法則」です。
今回の記事では、1993年にアル・ライズとジャック・トラウトによって出版された『売れるもマーケ当たるもマーケ マーケティング22の法則』の書籍を元に、この「カテゴリーの法則」について解説するとともに、現代版「カテゴリーの法則」について考察していきたいと思います。
ぜひ訳本を読まれたことがない方は、読んで損はない名著ですのでチェックください。
カテゴリーの法則とは?一番手を取るポジショニング戦略
「カテゴリーの法則(The Low of the Category)」とは、あるカテゴリーで一番手になれない場合、一番手になれるカテゴリーを作るという法則のことです。
そうなのです。一番手になれない場合は、一番手になれる新たなカテゴリーを作ってしまおうという話なのです。
例えば、「TikTok」で説明してみましょう。
「TikTok」は大きいカテゴリーでみると、「動画投稿プラットフォーム」です。
同じカテゴリーには「Youtube」という巨大市場、日本では「ニコニコ動画」などが存在します。
「TikTok」は、「短い動画の投稿プラットフォーム」に焦点を絞りマーケティングを行いました。
結果として、「TikTok」はそのカテゴリーの一番手としてユーザーに浸透し、追従するようにYoutubeもshortsを始めました。
市場を創造し、Youtubeという大手が後追いをするという構図がわかりやすく表されています。
書籍でも言及されていますが、一番議論すべきことは、
「この商品・サービスが競合商品よりどこが優れているか」ではなく、「どこが新しいか」という点です。
その点が突破できれば、マーケティングにおける最高の訴求力ができあがるのです。
これを体現し、圧倒的な成果を叩き出しているがキーエンスですね。
キーエンスはメーカーであり、その商品の大半が世界初というコンセプトをメイキングし、驚異的な営業利益をあげているのです。
余談ですが、キーエンスの2020年度の売上は5,381億円。営業利益は2,768億円。営業利益率は51.4%です。
メーカーですよ?メーカーの営業利益率って高くても7-10%くらいです。平均は4%と言われています。
カテゴリーの法則恐るべしです。
その製品は他と比べて何が新しいのか?を常に問い続けること
「一番手」になれない場合、その商品・サービスは他と比べて何が新しいのか?
この問いに答えられると、その領域で一番手になります。
後はその新規性(競合優位性)に基づいたマーケティングプランを立てれば良いわけです。
より実践的な内容もこの書籍ではヒントが散りばめられています。
少し前の書籍ですが、学びの多い内容ですので、ぜひ一読してみてください。
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